東京都労働相談情報センター

労働者派遣講座

このサイトについて
労働者派遣講座 > 派遣元の方へ > 【3】派遣労働者と労働契約を締結するに当たって Q10 派遣元事業主の個人情報の保護

派遣労働者と労働契約を締結するに当たって

派遣元事業主の個人情報の保護
解説

労働者派遣事業は、派遣先の情報と派遣労働者(登録者)の個人情報をマッチングすることが基本ですが、ベストマッチングのためにはできる限り正確で豊富な情報が必要となります。反面、情報化社会・匿名社会においては、派遣労働者等の権利を保護するために、派遣労働者等の個人情報には慎重で厳格な取扱いが必要となります。
派遣元事業主は、労働者派遣に関し、労働者の個人情報を収集し、保管し、又は使用するに当たっては、その業務の目的の達成に必要な範囲内で労働者の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければなりません。ただし、本人の同意がある場合その他正当な理由がある場合は、この限りではありません。

(派遣法第24条の3第1項・第2項)

個人情報の収集に関しての留意点

派遣元事業主は、

  • 派遣労働者となろうとする者を登録する際には、当該労働者の希望及び能力に応じた就業の機会の確保を図る目的の範囲内で
  • 派遣労働者として雇用し労働者派遣を行う際には、当該派遣労働者の適正な雇用管理を行う目的の範囲内で

派遣労働者となろうとする者及び派遣労働者の個人情報を収集しなければなりません。

また、次に掲げる個人情報を収集してはならないことに注意が必要です。ただし、特別な業務上の必要性が存在することその他業務の目的の達成に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合はこの限りではありません(派遣元指針第2の11の(1)イ)。

  • 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項
  • 思想及び信条
  • 労働組合への加入状況

派遣元事業主は、個人情報を収集する際には、本人から直接収集し、又は本人の同意の下で本人以外の者から収集する等適法かつ公正な手段によらなければなりません(派遣元指針第2の11の(1)ロ)。

(派遣元指針第2の11の(1)イ・ロ)

個人情報の保管又は使用に関しての留意点

個人情報の保管又は使用は収集目的の範囲内に限られます。
特に、派遣労働者として雇用し労働者派遣を行う際には、労働者派遣制度の性質上、派遣元事業主が派遣先に提供することができる派遣労働者の個人情報は、派遣法第35条第1項の規定により派遣先に通知すべき事項の他、当該派遣労働者の業務遂行能力に関する情報に限られています。ただし、他の保管もしくは使用の目的を示して本人の同意を得た場合又は他の法律に定めのある場合はこの限りではありません(派遣元指針第2の11(1)ニ)

(派遣元指針第2の11の(1)二)

個人情報を適正に管理するために必要な措置

派遣元事業主は、その保管又は使用に係る個人情報に関し、次に掲げる措置を適切に講ずるとともに、派遣労働者等からの求めに応じ、当該措置の内容を説明しなければなりません。(派遣元指針第2の11の(2)イ)

  • 個人情報を目的に応じ必要な範囲において正確かつ最新のものに保つための措置
  • 個人情報の紛失、破壊及び改ざんを防止するための措置
  • 正当な権限を有しない者による個人情報へのアクセスを防止するための措置
  • 収集目的に照らして保管する必要がなくなった個人情報を破棄又は削除するため措置

また、派遣元事業主が、派遣労働者等の秘密に該当する個人情報を知り得た場合には、当該個人情報が正当な理由なく他人に知られることのないよう、厳重な管理を行わなければならないので注意が必要です(派遣元指針第2の11の(2)ロ)。

(派遣元指針第2の11の(2)イ・ロ)

個人情報適正管理規程の作成

派遣元事業主は、派遣労働者の個人情報を適正に管理するために、次に掲げる事項を含む個人情報適正管理規程を作成し、これを遵守しなければなりません(派遣元指針第2の11の(2)ハ)。

  • 個人情報を取り扱うことができる者の範囲
  • 個人情報の取扱い者に対する研修等の教育訓練
  • 本人から個人情報の開示又は訂正を求められた場合の取扱い
  • 個人情報の取扱いに関する苦情処理に関する事項

(派遣元指針第2の11の(2)ハ)

不利益取扱いの禁止

派遣労働者が個人情報の開示又は訂正を求めたことを理由に、派遣元はその派遣労働者に不利益な取扱いをしてはなりません。

(派遣元指針第2の11の(2)ニ)

個人情報の保護に関する法律の遵守等

派遣元事業主は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号、平成30年改正)第2条第5項に規定する個人情報取扱事業者(※)に該当する場合には、同法第4章第1節に規定する義務を遵守しなければなりません。また、個人情報取扱事業者に該当しない場合であっても、個人情報取扱事業者に準じて、個人情報の適正な取扱いの確保に努めることが求められています。

(派遣元指針第2の11の(3))

(個人情報保護法ガイドライン)

(※)「個人情報取扱事業者」とは、個人情報を、紙媒体・電子媒体を問わず、データベース化(特定の人を検索できるように体系的に整理すること)してその事業活動に利用している者のことをいいます。 小規模取扱事業者も該当し、法人に限定されず、営利・非営利の別は問わないため、個人事業主やNPO等もこれに該当します。

(弁護士 江上千惠子氏 補正)

解説